腰から足にかけて痛む、しびれる。
歩く、寝転がるなどの日常の動作を行うと痛みが生じ、 無理をしているとだんだんとしびれてくる、という症状にお悩みの方がとても多いようです。
これが右か左かどちらかに強く起こり、何をするにしても辛くて困っている。
原因を考えても、そんなにハードな運動をした覚えもないし・・・
ということで、特定できず、何をしなければいいのかも分からず、防ぎようがない、 という状態の方もいらっしゃるかもしれませんね。
なぜ腰から足にかけての痛みやしびれが起こってくるのでしょうか。
そして、それに対する対策はないのでしょうか。
今日は腰から足にかけて痛む原因やその対処法について述べていきたいと思います。
なぜ腰から足にかけての痛みが起こるのか
腰から足にかけて痛むという症状には、いくつかのパターンがあります。
もともと腰に痛みがあったのだけれど、 そのままにしておいたら足のつま先までしびれたようになり始めた。
あおむけになったり、歩いたりするとどちらかだけが 腰から足までしびれるように痛んできてどうにもならない、などです。
この広範囲にわたって痛む原因として考えられるものは、 広範囲に伸びている坐骨神経の痛み、 そして、その坐骨神経が痛む原因となることがあるのが、 腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症です。
1-1.坐骨神経とは
坐骨神経(ざこつしんけい)とは、私たちの腰からお尻、 太ももの後ろ側を通って膝裏へと進んでいる、 末梢神経の中で一番太くて長い神経です。
詳しく言うと、第4、5腰神経と第1、2、3仙骨神経からなっていて、 お尻の奥の方を横切るようについている梨状筋という筋肉の中を通っています。
それが膝裏でさらに総腓骨神経と脛骨神経に分かれます。
そしてその先が足底神経へとつながっているため、 痛みを生じると腰からつま先までの広範囲に起こってしまうのです。
1-2. 腰椎椎間板ヘルニアとは
腰椎椎間板ヘルニアとは、椎間板の一部が突き出る、 または飛び出して神経を圧迫することで起こる病気です。
私たちの背骨には、骨と骨とが直接こすれ合ったりぶつかったりしないように、 間にクッションの役割をする椎間板というものがあります。
その椎間板の中身の髄核が、何らかの原因によって押し出されてしまうのです。
それが神経を圧迫し、痛みやしびれを引き起こします。
椎間板は一カ所ではないので、たとえ手術をしても、 また別の所が同じ状態に陥ってしまうという危険があります。
1-3. 腰部脊柱管狭窄症とは
腰部脊柱管狭窄症とは、骨の老化などの原因によって、 神経を通す脊柱管が狭まり、痛みやしびれを生じる病気です。
脊柱管にある髄帯が厚くなったり、 骨が変形によりまるで棘のようにとがったりすることによっても脊柱管が狭まります。
部位によって圧迫する神経が少し変わってくるのですが、 どちらにしても、動くと痛みやしびれが生じやすく、 じっとしていると痛みが治まってしまう、という特徴的な症状が表れます。
なぜ腰から足にかけての広範囲が痛むのか
先ほどご説明したように、坐骨神経は腰から足の先まで伸びている神経です。 これがどこかで圧迫されることにより痛みやしびれが起こりますが、 これは人によって痛みの度合いや痛む場所が異なるので、実は発見が遅れがちなのです。
坐骨神経は腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症によって引き起こされることもありますが、その他にも実は筋肉自体が固まってしまい、柔軟性を失っているために痛む、という場合もあるのです。
2-1.加齢による骨の変形
腰部脊柱管狭窄症のように、加齢によって骨の変形が見られ、 それが直接神経を圧迫して痛みを引き起こすことがあります。
これは生まれつき、 という場合もありますが、腰に負担がかかるスポーツをしていたり、 常に腰回りを曲げたりひねったりするような動きをしていた、という場合にも起こりやすくなります。
ストレッチによって緩和されますが、 根本的な解決にはなりにくいのがネックです。
2-2.筋肉が固まっている
腰から足にかけて痛む場合、両側が痛いという人よりも、 左右どちらか半身に痛みを感じる人が多いです。
これは、もともとどちらかに体重をかける癖などがあり、 負荷がかかっていた側の筋肉が固くなってしまったことが引き金になります。 固まっている筋肉はちょっとした刺激で痛みやすく、一度痛めてしまうと、ぎっくり腰と同じで、ちょっと動いただけで鋭い痛みを感じるようになってしまいます。
なぜ筋肉が固まってしまうのか
筋肉の柔軟性が失われる原因の主なものとしては、慢性疲労が挙げられます。 いつも負荷がかかり、筋肉がきちんと伸ばされることが少なかったり、本来あるべき場所になかったりすると、常に筋肉が引っ張られ、そのせいで固くなり、周囲の神経を圧迫するようになるのです。
3-1.骨盤や骨のゆがみがあり、常に負荷がかかっている
私たちの体の中心には骨盤があり、その上下に主な骨が伸びています。
基本的に左右対称になっているのですが、右利き、左利きという言葉があるように、私たちは知らず知らずのうちにどちらかに負担を多くかけがちなのです。
そうすることで、徐々に正しい位置にあったはずの骨盤や骨がゆがんでしまいます。
どれかがゆがむと、そのバランスをとるために別の部分にも支障が出ます。
そして、ゆがんだ骨格に筋肉が引っ張られるので、常にねじれたり伸ばされたりした状態になります。
ずっと伸ばされたゴムが固くなってしまうのと同じで、筋肉も固まってしまうのです。
もしマッサージなどでほぐしたとしても、それはその場しのぎにしかなりません。
3-2.ストレッチを行っていなかった
スポーツをする時、最後にしっかり使った筋肉の伸ばすためのストレッチを行うと思います。
これをやらないと、筋肉がどんどん固まってしまうのです。
このストレッチはスポーツ後だけで良い、というわけではありません。
というのも、私たちの体の筋肉には常に負荷がかかっているからです。
知らないうちに筋肉が疲労しているのをそのまま放置することで、筋肉はその部分だけが鍛えられ、どんどん固くなっていきます。
この症状は、強いマッサージでも起こることがあります。
本来、一日の終わりにはしっかり凝り固まった筋肉をのばしてやることが必要で、それを行わないことにより、日々筋肉に疲労がたまり、固くなっていくのです。
なぜ坐骨神経痛が起こるのか。
腰から足にかけての広範囲の痛み、しびれを診察してもらうと、 坐骨神経が絡んでいることが多々あります。
この坐骨神経痛は、ヘルニアなど骨のトラブルに関係することもありますが、 固まりやすくなった筋肉が原因でもあります。
体のゆがみによっておかしな方向に引っ張られたままになった筋肉がどんどん柔軟性を失う、というお話をしましたが、その際に神経も巻き込まれます。
特に坐骨神経は大きくて広範囲にわたったものなので、 体にゆがみが生じると引っ張られやすくなります。
そのために痛みやしびれが起こるのです。
そのため、ヘルニアを解消しても坐骨神経痛が残ったり他には悪いところがないのに坐骨神経痛で悩む、という人が出てくるのです。
腰から足に欠けて痛いという症状を軽減するには腰から足にかけて痛いということは、脊椎部分にトラブルが起こっているか、筋肉が固まってしまっているかです。
対処法としては、ストレッチを行う、 病院で手術をしてもらう、痛みどめを処方してもらう、整体院に通うなどがあります。
4-1.ストレッチをする
脊柱管狭窄症でもヘルニアでも、筋肉が固まってしまった状態でも、どれでも効果を発揮してくれるのがストレッチです。
腰から足にかけて痛む場合には、あおむけに寝転がって膝を両手で抱え、ゆっくり両膝を胸に引き寄せる、というものが一番多く知られています。
あくまでもゆっくり行うことが大切です。
もちろん、他にも効果のあるストレッチはたくさんありますので、病院の先生や整体師さんに聞いてみましょう。
やり方についても丁寧に指導をしてくれるはずです。
4-2.手術
腰椎椎間板ヘルニアが痛みの原因になっていると手術を勧められることがありますが、椎間板は1つではないのでその部分の手術をしてもまた別の部分が同じようになる可能性もあります。
手術をしたからと言って100%治るわけではないというのが悩ましいところです。
4-3.痛みどめをもらう
痛みどめを飲めば、確かに一時的に軽減し、治ったような気分になりますが、逆に無理をしてさらに神経を傷めてしまうこともあります。
痛みどめを飲みながら、原因を取り除く方法を併用したり、ストレッチを丁寧にしたりすることで初めて効果を発揮する、と言っても良いでしょう。
4-4.整体や治療院に行く
手術しかありません、と言われるような状態でも、筋肉のこわばりをとっていくことによって驚くほど改善していくことがあります。
坐骨神経を圧迫している筋肉を正しい位置に戻すには、 ゆがんだ骨盤を正しい位置に戻す必要があります。それができるのはやはり整体です。
しかし、整体によってはマッサージのみ、というようなところもあるので、 矯正を行ってくれるところを事前に確認していくと安心です。
まとめ
腰から足にかけて痛いのは坐骨神経の問題。
そしてその坐骨神経を圧迫する根本的な原因は、筋肉疲労や柔軟性の欠如です。
それを引き起こしてしまう体のゆがみを解消していけば、 手術に頼らなくても痛みを解消することができるようになります。